Research Press Release
洞不全症候群の高いリスクに関連する遺伝的多型
Nature Genetics
2011年3月7日
MYH6遺伝子の多型が、洞不全症候群(SSS)の高いリスクに関連していることを報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。洞不全症候群と診断される生涯リスクは、この遺伝的多型を持たない人で6%だが、この多型を持つ人では約50%となることが明らかになった。 洞不全症候群には、心拍数の低い状態、心拍数の高い状態、低心拍数と高心拍数が交互に起こる状態などさまざまな心拍障害が含まれている。高齢者に広く見られる疾患で、ほとんどの洞不全症候群患者は、最終的には永久ペースメーカーを必要とするようになる。 今回、H Holmらは、アイスランド人の洞不全症候群患者7人と洞不全症候群の診断を受けたことがないアイスランド人80人の全ゲノム塩基配列解読を行い、さらに、アイスランド人の洞不全症候群患者792人と対照群のアイスランド人3万7592人を対象としたゲノムワイド関連解析を行って、MYH6遺伝子の1つの多型が洞不全症候群の高いリスクに関連することを報告している。
doi:10.1038/ng.781
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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