Research Press Release
結核を検出
Nature Medicine
2011年2月21日
結核菌Mycobacterium tuberculosis(Mtb)の潜伏感染と顕性感染とを迅速に鑑別できる、新しい検査法の報告が寄せられている。この方法を使えば、活動性の結核感染患者をよりタイミングよく診断し、治療できる可能性がある。
現在のMtb検出法は時間がかかり、正確な診断には数週間かかることもある。G Pantaleoたちは、多色フローサイトメトリー(5色以上の蛍光色素で標識した細胞を検出する技術)を利用すれば、Mtb特異的CD4+ T細胞応答のプロフィールに着目して、活動性の結核と潜伏感染とを鑑別できることを明らかにした。潜伏感染患者では、多機能性Mtb特異的CD4+ T細胞応答が見られたが、活動性の結核患者ではおもに単機能性T細胞応答が見られた。
Pantaleoたちは、感染の状態の推定に使えるカットオフ値を割り出した。単機能性のプロフィールを示すT細胞が38.8%を超える患者は活動性の結核と推定され、それが38.8%未満の患者は潜伏感染と考えられる。
doi:10.1038/nm.2299
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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