Research Press Release

閉経年齢に関連する遺伝子の多様性

Nature Genetics

2015年9月29日

女性の自然閉経年齢に関連する遺伝子のバリアントが同定された。閉経年齢と思春期年齢に関与する遺伝子のバリアントの結びつきが見つかり、遅発閉経と乳がんリスクの関連についての過去の研究結果が確認された。

 

40歳までに閉経を迎える女性は、乳がんを発症する確率は低い一方で、骨粗鬆症や心血管疾患、2型糖尿病といった合併症を発症する確率は高いと考えられている。自然閉経(非外科的閉経)の年齢には遺伝要因が関与しているが、関係する遺伝子の全容、また、こうした疾患の発症リスクにどのように遺伝要因が関与するかは解明されていなかった。

 

今回、John Perryたちは、約70,000人のヨーロッパ系女性を対象とした全ゲノム関連解析を実施して、自然閉経年齢に関連する56個の遺伝子バリアントを同定した。そのうちの18個は過去の研究報告によってすでに知られている。これらの遺伝子バリアントは、損傷を受けたDNAの修復に関与する遺伝子と原発性卵巣機能不全と思春期遅発症に関連する遺伝子に多く存在していた。この解析結果は、女性の生殖寿命の始まりと終わりの間に分子的つながりがある可能性を示唆している。また、今回の研究では、遅発閉経をもたらす遺伝子バリアントが乳がんリスクを高めることを示す証拠も得られた。

doi:10.1038/ng.3412

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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