注目の論文
希少疾患に関するエクソーム配列解析
Nature Genetics
2010年8月16日
Exome sequencing of a rare disorder
エクソーム(ヒトゲノムのタンパク質コード領域)の配列解析を用いて、歌舞伎症候群の遺伝的基盤を明らかにしたことを報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。今回の研究は、初めてエクソーム配列解析を用いて、希少疾患の基礎を成す遺伝子を同定した数少ない事例の1つだ。
歌舞伎症候群は、まれな形成不全疾患で、日本では、新生児32,000人に1人の割合で生じると推定されている。この症候群は、特徴的な顔貌と軽度の精神遅滞を特徴とする。
J Shendureらは、10人の歌舞伎症候群の患者を対象として、カバー率の高いエクソーム配列解析を実施した。今回の研究では、配列解析によって同定された遺伝的多型から歌舞伎症候群に関連する可能性の高いものを選び出すためのフィルタリング手法が用いられ、その結果は、これとは別の症例を対象とした選択的配列解析によって確認された。Shendureらは、MLL2遺伝子の変異が、歌舞伎症候群の主たる原因だと結論付けた。
doi: 10.1038/ng.646
注目の論文
-
11月14日
医学:豚からヒトへの腎臓移植の長期経過観察Nature
-
11月14日
生態学:鳥インフルエンザがサウスジョージア島の繁殖期のゾウアザラシ個体数を半減させるCommunications Biology
-
11月13日
気候変動:ムンバイにおける異常降雨に関連した不均衡な死亡率Nature
-
11月11日
加齢:多言語使用は老化の加速を防ぐかもしれないNature Aging
-
11月11日
バイオテクノロジー:超音波がマウスの脳卒中後の脳内残留物を除去するのに役立つNature Biotechnology
-
11月6日
神経科学:時間の経過とともに発達する脳の変化を解明するNature
