注目の論文
救助役のニューロトロフィン
Nature Medicine
2009年2月9日
Neurotrophins to the rescue
アルツハイマー病に関連した齧歯類モデルと霊長類モデルで、治療法になる可能性のあるものが見つかったとの報告が寄せられている。
BDNF(脳由来神経栄養因子)は長期記憶に重要な働きをすると考えられているタンパク質である。これまでの研究によって、脳内でのBDNFの減少とアルツハイマー病につながりがある可能性が明らかになっている。アルツハイマー病の特徴は、毒性タンパク質の蓄積、ニューロンの死、認知障害である。
これらの特徴すべてを兼ね備えた動物モデルはないが、M Tuszynskiたちは、BDNFがラットと霊長類の脳障害モデルでニューロンの死を阻害し、老齢のラットや霊長類では認知障害を抑えることを明らかにした。アルツハイマー病の遺伝的マウスモデルでは、発病後にBDNFを投与すると、認知機能が回復したが、毒性タンパク質の蓄積には変化がなかった。
これらの知見から示唆されるように、BDNFはアルツハイマー病の治療に利用したり、毒性タンパク質の形成と蓄積を防ぐ薬剤と併用できる可能性がある。
doi: 10.1038/nm.1912
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