注目の論文
一流の援助
Nature Immunology
2009年3月2日
First-rate help
ワクチン接種に応じて免疫細胞がどのようにコミュニケーションをとるかを、新たに2つの論文が詳しく明らかにしている。この情報伝達のおかげで、体は長期にわたって非常に有効な抗体生産ができる。この過程をさらに解明すれば、ワクチンの剤形改良につながるかもしれない。
2つの論文とも、濾胞性ヘルパーT細胞(TFH)とよばれる特殊な免疫細胞の相互作用や、この細胞と抗体産生B細胞との相互作用に着目している。M McHeyzer-Williamsたちは、免疫原となるタンパク質に対して最も強い親和性をもつT細胞だけが、リンパ節や脾臓でTFH細胞になることを明らかにした。TFH細胞は次にリンパ濾胞で、ダンスのパートナーのようにB細胞と接触する。
R Locksleyたちは、TFH細胞がパートナーとなるB細胞に対して直接、サイトカインとよばれる化学シグナルを出すことを明らかにした。このシグナルによってB細胞は抗体をコードする遺伝子を微調整し、最も効果的に免疫応答を発動できるように高い親和性をもつ抗体を産生する。
doi: 10.1038/ni.1704
注目の論文
-
11月14日
医学:豚からヒトへの腎臓移植の長期経過観察Nature
-
11月14日
生態学:鳥インフルエンザがサウスジョージア島の繁殖期のゾウアザラシ個体数を半減させるCommunications Biology
-
11月13日
気候変動:ムンバイにおける異常降雨に関連した不均衡な死亡率Nature
-
11月11日
加齢:多言語使用は老化の加速を防ぐかもしれないNature Aging
-
11月11日
バイオテクノロジー:超音波がマウスの脳卒中後の脳内残留物を除去するのに役立つNature Biotechnology
-
11月6日
神経科学:時間の経過とともに発達する脳の変化を解明するNature
