注目の論文
がんの抑制からインスリン抵抗性まで
Nature Medicine
2009年8月31日
From tumour suppression to insulin resistance
がん抑制因子p53が、糖尿病の特徴の1つであるインスリン抵抗性の発生に重要な役割を果たしていることが明らかになった。
小室一成たちは、マウスの過剰なカロリー摂取が炎症、インスリン抵抗性、p53の発現亢進に結びつくことを発見した。脂肪組織で特異的にp53活性を阻害すると、炎症反応が軽減され、インスリン抵抗性が改善された。逆に脂肪組織で強制的にp53を発現させると、炎症反応が起こってインスリン抵抗性につながった。また糖尿病患者の脂肪組織でも、同様な反応がみられた。
これらの結果は、p53がインスリン抵抗性の制御に役割を担っていることを新たに示しており、p53活性に関係した細胞の変化が糖尿病治療の新たな標的になる可能性が示唆される。
doi: 10.1038/nm.2014
注目の論文
-
5月29日
社会科学:研究テーマの変更は被引用数の減少につながるかもしれないNature
-
5月28日
古生物学:クジラの骨から作られた最古の道具の証拠Nature Communications
-
5月27日
生態学:世界的に過小評価されている外来種のコストNature Ecology & Evolution
-
5月22日
微生物学:効果的な新しい抗マラリア薬は寄生生物を標的とするNature
-
5月21日
医学:非接触型無線モニタリングによる心臓不整脈の検出Nature Communications
-
5月20日
人工知能:大規模な言語モデルは、オンライン討論において人間よりも説得力を持つことができるNature Human Behaviour