注目の論文
1型糖尿病の扇動者
Nature Immunology
2009年8月10日
Instigator of type 1 diabetes?
Deaf1タンパク質の活性の変化が、1型糖尿病の発症に関係しているらしい。
糖尿病は自己免疫疾患の一種で、T細胞がインスリンを生産する膵臓のβ細胞を攻撃、破壊することによって起こる。正常なら、T細胞は自己タンパク質への暴露によって、これらの膵臓細胞にも寛容性をもつようになる。
C G Fathmanたちは、これら自己タンパク質の膵臓リンパ節での発現をDeaf1タンパク質が促進することを、マウスで明らかにした。しかし、1型糖尿病の発症と時期を同じくして、機能をもたない型のDeaf1が発現されることがわかった。
重要なのは、1型糖尿病患者で同様の機能をもたないDeaf1が健常者に比べて高い濃度で発現されていることである。Deaf1活性の喪失が1型糖尿病の発症に直接結びつくのかを解明し、治療によって非機能性Deaf1変異体の発現を防げるかを明らかにするには、さらに研究が必要である。
doi: 10.1038/ni.1773
注目の論文
-
5月29日
社会科学:研究テーマの変更は被引用数の減少につながるかもしれないNature
-
5月28日
古生物学:クジラの骨から作られた最古の道具の証拠Nature Communications
-
5月27日
生態学:世界的に過小評価されている外来種のコストNature Ecology & Evolution
-
5月22日
微生物学:効果的な新しい抗マラリア薬は寄生生物を標的とするNature
-
5月21日
医学:非接触型無線モニタリングによる心臓不整脈の検出Nature Communications
-
5月20日
人工知能:大規模な言語モデルは、オンライン討論において人間よりも説得力を持つことができるNature Human Behaviour