注目の論文
ひっかくとどうして痒みが和らぐのか
Nature Neuroscience
2009年4月7日
How scratching relieves itch
痒みを感じているときに限って、皮膚をひっかくとある種の脊髄ニューロンの活動が低下するとの報告が、Nature Neuroscienceに掲載される。この研究は、痒みはそれだけで脊髄に特殊な状態を誘導し、ひっかくことで痒み感覚を脳に伝えるニューロンの活動を減少させる可能性があることを示唆している。
ひっかくと痒みが和らぐというのは誰もが経験することだが、そうなる生理的な仕組みについてはほとんどわかっていない。ヒトや霊長類ついての研究では、脊髄の特定領域(脊髄視床路)がこの感覚に重要であり、皮膚に痒み物質を塗るとそこにあるニューロンの活動が高まることが示唆されている。
G J Giesler Jrらは、霊長類で痒みを感じているときに皮膚をひっかくと脊髄視床路のニューロン活動が阻害されることを示している。興味深いのは、痒みを感じていない実験動物では、このニューロンの活動はひっかいても止まらなかったことである。
doi: 10.1038/nn.2292
注目の論文
-
7月3日
ゲノミクス:古代DNAがエジプト人の祖先の謎を解明するNature
-
7月3日
進化:擬態は見る者の目に依存するNature
-
7月1日
心理学:AIが生成した応答を人間によるものと表示すると共感が高まるNature Human Behaviour
-
7月1日
加齢:慢性炎症はすべての集団において加齢と関連するとは限らないNature Aging
-
6月27日
動物学:笑い声を聞いたボノボは、報酬を期待する可能性が高まるScientific Reports
-
6月26日
生態学:バッタの群集行動を抑制Nature