注目の論文
ワクチンの免疫原性の予測
Nature Immunology
2008年11月24日
Predicting vaccine immunogenicity
黄熱病ウイルスワクチンが異なった免疫応答を引き起こす仕組みが明らかになった。この研究によって、ワクチン接種を受けた個体が免疫防御を得られる確率の高い免疫応答を示すかどうか、素早く予測する道が開けるだろう。
B Pulendranたちは、さまざまな遺伝学的、生化学的、分析的、数学的手法を駆使して、黄熱病ワクチン接種を受けた個体の遺伝子発現パターンをスクリーニングした。そして、特殊なバイオインフォーマティクス基準に基づいて遺伝子群を選ぶことにより、リンパ球の免疫応答と関連のある遺伝子発現の2つの異なった「特徴的パターン」を導き出した。ワクチン接種を受けた別の集団の個体でこの「特徴的パターン」の予測力をさらに調べたところ、90~100%の精度であることが実証された。
あるワクチンが効率よく免疫応答を引き起こせるかどうかを「遺伝子の特徴的パターン」に基づいて正確に予測することは、これまで実現できていなかった。このモデルが他のタイプのワクチンでも有効性予測に使えるかどうかは、今後の検討課題である。
doi: 10.1038/ni.1688
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