注目の論文
抗体応答をつなぐドック
Nature Immunology
2012年5月14日
A DOCK for antibody responses
抗体応答に欠陥があって気道感染を繰り返し、アレルギー反応の亢進が見られる小児患者がいるが、その原因が明らかになった。この発見が、より良いワクチンの開発や、このような免疫不全患者の治療につながる可能性がある。
DOCK8遺伝子に変異を持つ子供は、抗体の生産が少ないため、繰り返し感染を起こす。このような患者がごくわずかに生産する抗体は、アレルギー反応にかかわる抗体、IgEに偏っている。そのため、このような患者は免疫不全であると同時に、重症のアレルギーを起こしやすい。Raif Gehaたちは、抗体を生産するB免疫細胞でDOCK8タンパク質の機能の分子基盤を調べ、DOCK8がアダプタータンパク質であり、これがかかわる情報伝達カスケードが、正常な抗体生産とB細胞の記憶応答の発生に必要なことを明らかにした。DOCK8は、自然免疫の情報伝達分子、特にMyD88を利用する分子を、転写因子STAT3を活性化する下流のキナーゼと結びつけるプラットフォームの働きをする。
DOCK8-MyD88の相互作用を破壊してSTAT3の活性化を阻害すると、同様な抗体生産不全につながる。
doi: 10.1038/ni.2305
注目の論文
-
10月28日
生態学:人間の移動はすべての陸上動物を上回っているNature Ecology & Evolution
-
10月28日
健康:女性は運動によってより大きな心臓の健康効果を得られるかもしれないNature Cardiovascular Research
-
10月24日
化学:シベットコーヒーの秘密は化学にありScientific Reports
-
10月23日
生態学:一部の石サンゴが気候変動を生き延びる可能性Nature
-
10月21日
気候変動:米国の都市における肉の消費がもたらすカーボンコストNature Climate Change
-
10月16日
古生物学:アルゼンチンの恐竜たちはどのようにして首を長く伸ばしたのかNature
