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神経科学:閉経期における脳の変化は、思春期や妊娠時とは異なる

Nature Communications

2026年9月9日

Neuroscience: Brain changes in menopause are distinct from puberty and pregnancy

Nature Communications

閉経期の女性の脳における変化は、妊娠期や思春期に見られる変化とは大きく異なることを報告する脳画像研究の論文が、オープンアクセスジャーナルNature Communications に掲載される。200人以上のアクティブな参加者を対象としたこの研究は、思春期と妊娠はいずれも皮質灰白質体積の減少と関連する一方、閉経期では、移行期そのものにおいて灰白質体積が比較的安定していることを示唆している。

思春期、妊娠、および閉経期は、女性の生涯をつうじて経験する主要なホルモン移行期であり、脳に大きな影響を及ぼす。しかし、これら3つの段階における変化に、共通するメカニズムまたは異なるメカニズムが関与するのかは不明である。さらに、これまでの研究では思春期や妊娠中の脳の変化が検討されてきたものの、閉経期にともなう変化に関する研究は少なかった。

Sophie van ’t Hofら(アムステルダム大学医療センター〔オランダ〕)は、思春期(参加者34名)、妊娠期(参加者70名)、および閉経期(参加者120名)の各移行期に複数時点で収集された構造MRI(Magnetic Resonance Imaging;磁気共鳴画像法)データを分析した。これらのデータを、それぞれ108名、40名、および723名からなる対照群(年齢が近く、各移行期の前または後にある個人)と比較した。思春期における初経期および妊娠期の移行では、対照群と比べて、総灰白質および皮質灰白質の月ごとの減少が加速していた。減少は、前頭前野連合皮質、頭頂連合皮質、および側頭連合皮質など、両群で同様の領域に見られた一方、ほかの領域では異なる分布を示した。対照的に、閉経期の移行過程では、閉経前および閉経後の対照群と比較して、総灰白質または皮質灰白質の顕著な減少は認められなかった。著者らは、閉経移行期に加齢にともなう減少が見られなかったことは、過去に観察された性ステロイドホルモンの減少と関連し得ると推論している。ただし、この関連に因果関係があるかを明らかにするには、さらなる研究が必要である。これらの知見は、思春期、妊娠、および閉経期が、ホルモン変化に対する単一で均一な反応ではなく、それぞれ異なる脳構造変化のパターンと関連することを示している。

著者らは、閉経状態が自己申告にもとづいていることや、すべてのコホートで直接測定したホルモンデータがないことなど、いくつかの限界を指摘している。これらのパターンの背後にある生物学的メカニズムを解明するには、標準化され比較可能なホルモンデータおよび画像データを用いたさらなる研究が必要である。

van ’t Hof, S.R., Bos, M.G.N., Straathof, M. et al. Puberty, pregnancy, and menopause show shared and distinct structural changes across the lifespan. Nat Commun 17, 9360 (2026). https://doi.org/10.1038/s41467-026-76755-2

 

doi: 10.1038/s41467-026-76755-2

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