注目の論文
神経膠腫治療用カプセル剤
Nature Neuroscience
2011年12月26日
A capsule for glioma therapeutics
脳腫瘍の治療において、治療用幹細胞を生体材料で包装する方法を用いると効率が改善することが、Nature Neuroscience(電子版)の論文で報告されている。この研究は神経膠腫治療に有望な生物工学的戦略の可能性を際立たせるもので、将来臨床試験に進む後押しとなるかもしれない。神経膠腫は脳腫瘍の一般的な形態の1つで、脳のグリア細胞が悪性化して生じる。現在の治療法は外科的処置と放射線療法、化学療法の併用が基本だが、予後は依然として悪い。K Shahらは神経膠腫モデルマウスを使って、神経膠腫患者に一般的な外科的処置に似せ悪性の腫瘤を除去し、次に腫瘍選択的殺傷剤をつくり出すよう遺伝子改 変した神経幹細胞を除去部分に移植した。効率を改善するため、Shahらはこれら遺伝子改変幹細胞を合成細胞外マトリックスという生体材料で包み込み、脳組織での生存率と安定性を高めた。カプセル包装した幹細胞を移植した疾患マウスは、未包装の幹細胞治療を受けたマウスに比べて生存期間が大幅に延びた。
doi: 10.1038/nn.3019
注目の論文
-
11月14日
医学:豚からヒトへの腎臓移植の長期経過観察Nature
-
11月14日
生態学:鳥インフルエンザがサウスジョージア島の繁殖期のゾウアザラシ個体数を半減させるCommunications Biology
-
11月13日
気候変動:ムンバイにおける異常降雨に関連した不均衡な死亡率Nature
-
11月11日
加齢:多言語使用は老化の加速を防ぐかもしれないNature Aging
-
11月11日
バイオテクノロジー:超音波がマウスの脳卒中後の脳内残留物を除去するのに役立つNature Biotechnology
-
11月6日
神経科学:時間の経過とともに発達する脳の変化を解明するNature
