注目の論文
記憶の再固定化と食料記憶の消去
Nature Communications
2011年10月19日
Forgetting memories
ラットの実験で、食物依存症に関連した報酬記憶を訓練によって消去しうることが明らかになった。この新知見は、将来的には、薬物依存症の治療に対して重要な意味をもつ可能性がある。この研究成果を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。 記憶の再固定化(記憶の再活性化とその後の記憶消去)を行うと、恐怖の記憶が消去されることが知られている。今回、J Leeたちは、この処置によって、ラットの食料の記憶も消去できることを明らかにした。この実験では、ラットに訓練を施して、食料を得るために給餌器に鼻を突っ込むようにさせ、その際には弱い刺激を与えた。次に、この記憶を再活性化させるため、給餌器に鼻を突っ込むラットに食料を与えずに弱い刺激を与えるという実験を10分間行った。その結果、この処置を60〜70分継続した後に食料の記憶は消去されることがわかった。 今後の研究の積み重ねで、この新知見は、臨床応用につながる可能性がある。
doi: 10.1038/ncomms1515
注目の論文
-
5月9日
生物学:人為起源の地球規模の変化が感染症伝播リスクに影響を及ぼしているNature
-
5月8日
生態学:マッコウクジラの複雑な鳴音を調べるNature Communications
-
5月7日
遺伝学:APOE4遺伝子バリアントはアルツハイマー病の他とは異なる遺伝的タイプである可能性があるNature Medicine
-
5月3日
動物学:薬用植物を使って創傷治療を行う野生動物が初めて報告されるScientific Reports
-
5月3日
進化学:地球の磁場が弱くなっていたために地球上の生物の多様化が進んだのもしれないCommunications Earth & Environment
-
5月2日
人類学:長期的レジリエンスは苦難によって構築されるNature