注目の論文
コカインがちっとも快くない
Nature Neuroscience
2011年7月25日
Making cocaine less palatable
マウスにおいて、脳にある特異的なカンナビノイド受容体を刺激する薬物は、行動や報酬に関するコカインの効力を相殺することが、Nature Neuroscience(電子版)に報告される。この成果は、脳のカンナビノイド受容体が薬物の乱用や依存を緩和する標的に適している可能性を示唆している。
カンナビノイドはマリファナなどに含まれる精神賦活性化合物であり、カンナビノイド受容体CB1、CB2を介して行動に影響を及ぼす。CB1受容体を活性化する薬物は脳の報酬系を刺激し、長期間退薬した後でも薬物探索の再燃を誘発することが知られている。一方、依存性薬物の作用調 節に関して脳内CB2受容体が果たす役割はわかっていない。
Z-X Xiらは今回、CB2受容体を選択的に活性化する2種類の薬物を見つけた。マウスにこれらの薬物を与え直後にコカインの自己投与を行わせると、CB2受容体が活性化して、発作と薬物の摂取量が減り、引き続き見られるコカイン誘発性の自発運動促進効果も減ることがわかった。
doi: 10.1038/nn.2874
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