注目の論文
【人間行動】高い評価を受ける女性ダンサーの体の動きとは
Scientific Reports
2017年2月10日
Human behaviour: She’s the greatest dancer
女性のダンスにおける体の動きを調べる研究で、極めて高い評価を受ける動作が精密に特定された。今回の研究では、女性の場合に腰振りの程度と太腿や腕の非対称運動の程度がそれぞれ独立に寄与して、ダンスの質が高いという評価につながることが明らかになった。この研究成果を報告する論文が、今週掲載される。
今回、Nick Neaveの研究チームは、3Dモーションキャプチャーを使って、ドラムが奏でる基本リズムに合わせて踊る39人の女性の動きを記録した。次に各女性に特徴的な動きを保持しつつ、外観に関する情報を全て排除できるよう、コンピューター上に作成したアバターに各女性の動きのパターンのレンダリングを行った。アバター39体のダンスが記録された15秒間のビデオ映像を男性57人と女性143人に見せて各アバターのダンス能力を評価してもらい、Neaveたちは、この評価結果とアバターが表すダンサーの動きの定量的測定値を比較した。
今回の研究で、Neaveたちは、3種類の動作が女性のダンスの質の認識に独立に寄与したことを発見した。腰の振りが大きく、両脚の太腿部がより非対称的に動き、ある程度の非対称性で両腕が動くダンスに対する評価が、それ以外のダンスよりも高かった。また、Neaveたちは、質の高いダンサーと評価される際の決め手となる動きに機能的意義がある可能性も示している。例えば、腰振りは女性らしさを力強く表現するものと考えられ、片方の手足を他方の手足と独立に動かせる能力は運動制御能力の発達を証明するものと考えられるのだ。
doi: 10.1038/srep42435
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