ウイルスの隠れたリザーバーを画像化する
Nature Methods
2015年3月10日
従来の検出法では体内の諸領域に存在するウイルスを検出することができなかったが、それを可能にするリアルタイムな全身イメージング技術が考案さたという報告が、今週のオンライン版に掲載される。この技術を用いることにより、アカゲザル体内のサル免疫不全ウイルス(SIV)のリザーバー部位が明らかにされた。
SIV(非ヒト霊長類が感染するHIV類似ウイルス)とHIVは、一般的には感染個体の血液検体の中に検出される。しかし、血流中のウイルス粒子の数は、抗レトロウイルス治療や「エリートコントローラー」の免疫系により、そうした方法では検出されないレベルまで減少する場合がある。それでも、体内ではリザーバーにウイルスが残存しており、治療が中断されたり免疫系が損なわれたりしたときに再び出現することがある。血液検査ではそのような隠れたリザーバーの位置を特定することができず、検出する方法が求められている。
Francois Villingerたちは、陽電子放射断層法(PET)をSIV特異的トレーサーと組み合わせて利用し、抗レトロウイルス治療を施したサルおよびエリートコントローラーのサルでSIVの分布を分析した。サルの血中SIVレベルはほとんど検出不可能なものであったが、体内ではリンパ節や腸、肺などの領域にウイルスが検出された。この方式は、サル体内のSIV感染動態を研究するための新たな手段をもたらすものであり、将来はヒトのHIVリザーバーの研究に資するように改良される可能性もある。
doi:10.1038/nmeth.3320
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