Research Press Release
【生物学】心臓の「闘争-逃走」反応の分子機構
Nature Communications
2015年1月21日
ミトコンドリアの重要なタンパク質が心臓の闘争-逃走反応に影響を及ぼすことがマウスの研究で実証されたという報告が、今週掲載される。この研究結果は、このタンパク質を標的とした治療法の開発につながり、過剰な心拍数増加を抑制するために役立つかもしれない。
私たちは、ストレスを受けると、心拍数の増加を含む一連の生理学的変化(「闘争-逃走反応」)を経験する。しかし、この心拍数増加の基盤となる分子機構は十分に解明されていない。この論文でMark Andersonたちは、エネルギーを産生する微小な細胞小器官であるミトコンドリアの内膜に存在し、電池に似た構造へのカルシウムイオンの輸送に関与するミトコンドリアカルシウム単一輸送体(MCU)が関係していることを明らかにした。
MCUの異常なマウスは、安静時の心拍数が正常だが、ストレスに対して異常な応答を示す。つまり、このマウスを拘束状態に置くと、心拍数が通常のマウスほど増加しないのだ。現在用いられている過剰な心拍数を抑えるための薬剤には、安静時心拍数も下げてしまうという問題がある。MCUを標的とする治療法は、安静時心拍数に影響を及ぼさずに異常な心拍数増加を抑えることができるので、より有益なものとなる可能性がある。
doi:10.1038/ncomms7081
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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