Research Press Release

【心理学】年齢による協力行動の変化

Nature Communications

2014年7月16日

協力行動が世代によって異なる様子を記述した論文が、今週掲載される。

ヒトの社会は、他の社会的な種の場合と比べて極めて協力的だが、なぜ血縁関係にないヒト同士が協力し合うのかという疑問は解明されていない。

今回、Morenoたちは、さまざまな年齢の人々を対象とした社会的ジレンマ下の実地実験の結果を報告し、協力度の平均値が年齢とは無関係なことを明らかにした。ただし、高齢者は例外で、協力度が高かった。また、子どもと10代前半の若者が協力するかどうかを決める際には、自分自身の過去の決定を参考にしておらず、ほとんどの場合には、他者の行動を見ながら決めていることも判明した。

こうした結果は、過去の行動に対する反応に基づく互恵性のような機構が、一般的には協力行動を促進する可能性がある一方で、子どもと10代前半の若者の場合に見られる行動のばらつきによって互恵性の影響力が減殺されることを示している。ただし、若者の向社会的行動を育成するための具体的な戦略を策定するには、今回より大きなサンプルサイズで研究を続ける必要がある。

doi:10.1038/ncomms5362

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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