Research Press Release
オランダ人のゲノムを解析するプロジェクト
Nature Genetics
2014年6月30日
オランダの250家族のゲノム塩基配列について報告する論文が、今週のオンライン版に掲載される。これは、1国で収集されたゲノム塩基配列データとしては、これまでで最大規模のものだ。このデータは、ヒトゲノムに関する新たな手掛かりをもたらしており、疾患の原因遺伝子を発見するための新たな手段となる可能性がある。
ヒトにおいて生じうるDNA変異の種類は、集団間で大きく異なっており、疾患の原因となるDNA多様体を新たに発見するには多くの国々から大量のゲノム塩基配列を集める必要がある。
今回、Paul de Bakkerたちは、オランダ人の親子250組、合計769人のゲノムの塩基配列解読を行った。その結果、これまで見つかっていなかった760万個の一塩基多型の同定という重要な知見が得られた。また、疾患を引き起こす可能性のあるまれな遺伝子変異が、研究対象者1人当たり平均で8個見つかった。こうしたデータは、オランダ国内での人口移動の歴史の解明に役立つ可能性がある。
doi:10.1038/ng.3021
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
心理学:AIが生成した応答を人間によるものと表示すると共感が高まるNature Human Behaviour
-
加齢:慢性炎症はすべての集団において加齢と関連するとは限らないNature Aging
-
動物学:笑い声を聞いたボノボは、報酬を期待する可能性が高まるScientific Reports
-
コンピューターサイエンス:コンピュータービジョンの研究が監視技術にどのように活用されているかNature
-
生態学:バッタの群集行動を抑制Nature
-
天文学:新惑星の発見が宇宙の知識の空白を埋めるNature