Research Press Release
【遺伝】メクラデバネズミの地中生活への遺伝的適応
Nature Communications
2014年6月4日
メクラデバネズミ(Spalax galili)のゲノムとトランスクリプトームの塩基配列が、解読、解析された。この研究は、地中生活に伴う環境ストレスに対するメクラデバネズミの適応の遺伝的基盤に関する新たな知見をもたらし、がん抵抗性に関係すると考えられる遺伝子を明確に示している。研究の詳細を報告する論文が、今週掲載される。
メクラデバネズミは、単独行動性の哺乳類で、捕食者や好ましくない気候条件から身を守る地中の巣穴で生活しており、時間の経過とともに進化して、地中での生活様式に伴う暗闇、酸素の欠乏と病原体への曝露に対処するようになった。
今回、Eviatar Nevoたちは、メクラデバネズミのゲノムとトランスクリプトーム(ゲノムにおいて発現するRNA全部)の塩基配列を解読、解析して、多く見られる反復遺伝因子と個別遺伝子を同定し、これらが、メクラデバネズミの低酸素環境、高度に発達した穴掘り活動と失明状態を反映したものだという見方を示している。
また、Nevoたちは、進化によって壊死(細胞死または組織死)と免疫-炎症応答を増やす機構を備えるようになったと考えられる遺伝子が正の選択を受けていたことを報告しており、これが、メクラデバネズミに見られるがん抵抗性と抗老化特性を下支えしている可能性がある。今回の研究は、哺乳類の適応進化研究の基盤をなすものといえる。
doi:10.1038/ncomms4966
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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