Research Press Release
これから認知機能が低下していく患者を見つける
Nature Medicine
2014年3月10日
10種類の代謝産物を用いた血液プロフィールを利用すれば、認知機能の正常な高齢者が2-3年以内に認知症を発症するかどうかを、90%の確率で予測できるとの報告が寄せられている。
アルツハイマー病(AD)治療の難しい課題は、発症前にタイミングよく予防治療を行えるよう、今のところ認知機能は正常だが実は認知症を発症する恐れが高い高齢者を、いかに見つけ出すかである。
Howard Federoffたちは、細胞膜の構成成分やその誘導体である10種類の代謝産物が、バイオマーカーとなるのを発見した。このバイオマーカー群には、認知症の発症よりも前に、脳内ニューロンの初期の退行性変化が現れるという。アルツハイマー病患者に対する治療は、早い段階で始めるほど効果が上がると考えられているので、今回の知見は、認知症の臨床試験の際に患者の選択に役立つ可能性がある。
doi:10.1038/nm.3466
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
考古学:古代のゲノムからアバール人コミュニティーの社会組織と権力の再編が明らかになったNature
-
天体物理学:マグネターの巨大フレアという珍しい現象が観測されたNature
-
創薬:脳オルガノイドを使って神経発達障害の治療法を検証するNature
-
医学:実験室で培養された「ミニ結腸」をがん研究に用いるNature
-
遺伝学:鳥の歌のリズムを調べるNature Communications
-
心理学:画像の特徴は時間の経過の感じ方に影響を及ぼす可能性があるNature Human Behaviour