Research Press Release
長く生きる線虫
Nature Chemical Biology
2013年9月30日
今週オンライン版に掲載される報告によれば、線虫(Caenorhabditis elegans)の加齢では、重要でないと考えられていたサーチュイン酵素反応の副生成物が直接的な役割を果たしているという。その研究成果は、サーチュイン活性の重要な側面がこれまで見過ごされてきた可能性を示唆するとともに、寿命を延ばすかもしれない新たなメカニズムを示している。
サーチュイン酵素は、DNAの密閉と保存を可能にするタンパク質複合体「ヒストン」の修飾に関与している。多くの生物では、DNAの健全性、そしてとりもなおさず寿命の調節にも結びつけられているが、この酵素、およびそれが行う修飾が、寿命とどのように関係しているのかは不明である。
Michael Ristowたちは、サーチュイン反応によるニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NAD+)のニコチンアミドへの変換がC. elegansの寿命の延長に思いがけず強力な影響を及ぼすことを明らかにした。研究チームは、ニコチンアミドまたはそれに続く生成物の1-メチルニコチンアミドを細胞またはC. elegansに直接添加すれば、サーチュインは不要であることを示している。
doi:10.1038/nchembio.1352
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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