Research Press Release
【知覚】指の触覚で判別できる最も小さな表面形状
Scientific Reports
2013年9月12日
人間は、幅13ナノメートルのひだでパターン化された表面とパターン化されていない表面を指で触って判別できることが明らかになった。この新知見は、人間の触覚の限界がナノメートル域に達している可能性を示唆している。
今回、Mark Rutlandたちは、化学的に同一な表面を16点作製して実験を行った。そのうちの14点はリンクル(ひだ)でパターン化され、リンクルは、波長(「幅」)が300ナノメートルから90マイクロメートル、振幅(「高さ」)が7ナノメートルから4.5マイクロメートルの範囲内に設定され、残りの2点はパターン化されなかった。そして、2点ずつ無作為に選んで、実験の参加者に次々と示し、その利き手の人差し指で、それぞれの表面上を決められた方向(溝に対して垂直方向)に触らせ、2つの表面の類似性を評価させた。その結果、パターン化されていない表面と区別できた最も小さなパターンの溝の波長は760ナノメートルで、振幅はわずか13ナノメートルであることが判明した。
今回の研究では、微細な構造を触って知覚する際に2つの物理的パラメーター(表面摩擦とリンクル波長)が重要なことが浮き彫りになった。この研究成果は、ロボット工学と仮想現実における触覚の開発や、電話やタブレット型コンピューターなどのタッチパネル式家電製品における触覚的美観の改善に役立つ情報となる可能性がある。
doi:10.1038/srep02617
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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