Research Press Release
制限を受けない火星の生命
Nature Geoscience
2013年9月2日
生命に必須の主要成分であるリン酸は、初期火星の生命が存在可能な環境では初期地球よりも豊富に存在していた可能性があるとの論文が、今週オンライン版に掲載される。
地球の最も初期の生命体に取り込まれたリン酸は鉱物由来に違いないが、地球表面でリン酸を含む鉱物は非常にゆっくりと溶解する。その結果、水成環境においてリン酸の利用可能性は限定的であったと考えられ、地球で生命が発現するための障害となったと考えられる。
実験室環境でChristopher Adcockらは、火星で最も普通に見られると考えられるリン酸を含む鉱物の溶解度を測定した。彼らは、これらの鉱物の溶解度は、地球で最も普通に見られる鉱物よりもはるかに高く、従ってより多くのリン酸を水に放出することを見つけた。
関連するNews & Viewsの記事で、Matthew Pasekは「火星にこれまで生命が存在していたかはよく分かっていないし、仮に存在したとしてもすぐに利用可能なリン酸を必要としたかも分からないが、(火星の)生命にはその点ではあまり障害は無かったかもしれない」と書いている。
doi:10.1038/ngeo1923
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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