Research Press Release
北大西洋の暴風のエアロゾルによる抑制
Nature Geoscience
2013年6月24日
人間活動の結果生じる大気中の粒子は、20世紀には大西洋全域で熱帯暴風の頻度を減少させたという報告が、今週オンライン版に掲載される。この発見は、大気中のエアロゾルのレベルが過去の暴風活動の変化を引き起こしていることを示唆している。
Nick Dunstoneたちは、気候モデルのシミュレーションを用いて大西洋全域の熱帯暴風に対するエアロゾル放出の効果を評価し、20世紀のほぼ全体にわたりこのような暴風の頻度が抑制されたことを示した。彼らは、エアロゾルが海水表面の温度変化を引き起こしたことで抑制が起きたと示唆している。
関連するNews and Viewsの記事でJohannes Quaasは、彼らが「人間活動によるエアロゾルが20世紀に北大西洋全域で熱帯暴風活動に顕著な影響を与えたことに対する信頼できる証拠を提供した」と述べている。
doi:10.1038/ngeo1854
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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