Research Press Release

肝臓を育てる

Nature Medicine

2010年6月14日

肝臓組織片を培養するのに利用でき、肝移植に役立つ可能性のある無細胞マトリックスの開発の報が寄せられている。肝臓病の治療に使える移植可能な肝臓組織片の作製の原理証明実験といえる。

重度の肝不全には、肝移植だけしか治療法がないが、臓器不足が制約となることが多い。肝細胞は簡単に培養できるが、培養細胞からの肝臓の作製を妨げている技術的課題の1つが、肝臓全体への酸素と栄養素の輸送の難しさである。

K Uygunたちは、無細胞の肝臓のマトリックスを出発点にして、移植可能なラットの肝臓組織片を作製する方法を開発した。肝臓のマトリックスから細胞を除いて、血管ネットワーク本来の構造と機能を元のままに保つと、成体の肝細胞を「植え付け」たときに、効率よく成長させることができる。こうして細胞を再配置したマトリックスでは、正常な肝臓に匹敵するほどの肝機能が保持される。この人工肝臓はラットへの移植も可能で、肝細胞の生存と機能が維持される。

doi:10.1038/nm.2170

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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