Research Press Release
マグマ混合による鉱石鉱床
Nature Geoscience
2010年6月28日
金属に富んだ硫化物マグマと鉱液との混合は、貴重な鉱石鉱床を大量に生成しうるとの報告が寄せられている。そのような遅い段階の混合は、鉱石生成の役割を果たすと考えられてきたが、この過程に対する直接的証拠ははっきりしないままであった。
O Nadeauらは、インドネシアのメラピ火山で噴出直後の溶岩と火山ガスの試料を採取した。それらの試料には似たような濃度の金属元素が含まれていることがわかった。このことは、地下のマグマだまりの中で混合される間に金属がガスと鉱液の中に入ったことを示唆している。
関連するNews and Views の記事で、B Scailletは次のように述べている。「Nadeauらの研究は、鉱石鉱床の形成と、経済上興味のある金属を硫化物メルトから火山性鉱液へと移動させる過程についての決定的な段階に光を投げかけるものである」。
doi:10.1038/ngeo899
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
環境科学:火山活動が中世ヨーロッパにペストをもたらしたかもしれないCommunications Earth & Environment
-
人工知能:チャットボットは投票意向に影響を与えるかもしれないNature
-
社会科学:不安定なビデオ通話は、会話だけでなくそれ以上のものを損なうNature
-
天文学:衛星による光害が宇宙天文学研究を脅かしているNature
-
素粒子物理学:風変わりなクォーク四重項の定量化Nature
-
動物の行動:病気のアリはコロニーを守るため自ら犠牲となるよう合図するNature Communications
