Research Press Release
乳がんのリスクに関連する5つの新たな遺伝的多型
Nature Genetics
2010年5月10日
乳がんのリスクに関連する高頻度の遺伝的多型が新たに5つ同定されたことを報告する研究論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。これによって、乳がんの発症リスクに関連する高頻度の多型は18個となり、これらを合わせると乳がんの家族性リスクの約8%を説明できる。一方、高い乳がんのリスクに関連する低頻度の多型全体では、さらに乳がんの家族性リスクの20%を説明できる。
乳がんは、先進国の女性に最も多くみられるタイプのがんで、これによって、毎年、全世界で約50万人が命を落としている。家族歴のあることは、乳がんの確立された危険因子であり、第一度近親者に乳がん患者がいると、発症リスクが約2倍になる。従来の研究で、乳がんの高い発症リスクに関連する13個の高頻度の遺伝的多型が同定されていた。
D Eastonらは、乳がんのリスクに関連する高頻度の遺伝的多型を新たに同定するため、これまでで最大規模の乳がん患者に対する全ゲノム関連解析を実施した。16,536人の患者についてゲノム解析が行われ、乳がん感受性に関連する5つの遺伝子座が新たに同定された。
doi:10.1038/ng.586
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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