Research Press Release
ブラックホールを見つける新しい方法
Nature Physics
2011年2月14日
Nature Physics(電子版)に報告される手法によって、自転するブラックホ−ルを発見できるかもしれない。
一般相対性理論は、ブラックホールには回転しているものがあると予測している。いまだに確認されていないこうした天体は質量が大きく、時空を同じように回転させる。今回B Thideたちは、この時空の大変動は通過する光に痕跡を残し、その痕跡を最新の望遠鏡で検出できる可能性があることを示した。
光には、いわゆる軌道角運動量を持つものがあり、らせん状の形で空間を伝播している。計算によって、自転するブラックホールつまりカー・ブラックホールが存在すると、この形が歪むことが示されている。この歪みを地上で測定すれば、このブラックホールの大きさと回転速度についての情報が得られるかもしれない。
News & Viewsの記事でM Bojowaldは、「一般相対性理論の研究では、新しい現象が見つかって理論をさらに検証できることはまれです」と述べている。
doi:10.1038/nphys1907
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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