Research Press Release
微生物が変える土壌からの炭素放出
Nature Geoscience
2010年4月26日
地下に棲む微生物の生理機能は、温暖化した地球の土壌から放出される二酸化炭素の量を決定する可能性があると、Nature Geoscience(電子版)に掲載される研究が示している。
土壌の炭素放出は、温度の上昇に応答して増加することが示されてきたが、長期にわたる応答はよくわかっていない。
S Allisonらは、微生物酵素モデルを用いて、土壌からの炭素放出に対する微生物の生理機能の影響について検討した。彼らのシミュレーションは、微生物活動の効率が温暖化した世界で減少するならば、野外実験で現れたパターンのように、二酸化炭素の放出は温暖化以前のレベルまで戻ることを予測している。しかし、微生物が、例えば酵素活動の増加によって温暖化に適合することができるならば、放出は増加する可能性がある。
doi:10.1038/ngeo846
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物の行動:犬はおもちゃにすっかり夢中Scientific Reports
-
社会科学:オンライン上で歪められた年齢とジェンダーの表象Nature
-
材料科学:通常のプラスチックと同等の強度を持つ生分解性の竹プラスチックNature Communications
-
材料:海洋から回収した炭素を生分解性プラスチックに変換Nature Catalysis
-
動物の行動:ネグレクトされた子犬は成犬になるとより攻撃的で恐怖心が強くなるScientific Reports
-
遺伝学:自閉スペクトラム症の遺伝的に異なる形態Nature