Research Press Release
生体融和型電子機器にシルクを利用
Nature Materials
2010年4月19日
生体埋込み用のフレキシブルな電子回路を作製する手法が、Nature Materials(電子版)に報告されている。溶解性のシルク基板によって、非常に薄く間隔の狭い電子回路の使用が可能になり、脳とコンピューターのインターフェースのような、組織とのインターフェース向けの改良型電極が得られる。
生体融和型電子機器は、脳のように非常に複雑な構造に適応可能でなければならない。現在、そのようなフィルム状電子機器に機械的安定性が必要であることを考えると、電子回路は柔軟性に乏しく厚いものでなければならない。しかし、J Rogersらは今回、フレキシブルな生体溶解性のシルク基板を使用し、その上に、間隔の狭い非常に薄いシリコン電子回路を転写した。それらの生体融合型電子回路をテストしたところ、猫の脳信号に対して優れた電子的応答が得られたうえに、少なくとも4週間は炎症がみられなかった。
doi:10.1038/nmat2745
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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