Research Press Release
緯度とともに変化する海洋逆転
Nature Geoscience
2010年9月13日
大西洋の逆転循環は、これまで考えられていたように単一の鉛直方向の対流セルからできているわけではなく、低緯度と高緯度の間で強度が変化していると、 Nature Geoscience(電子版)に発表される研究が示している。大西洋逆転循環は熱帯の海水から熱を北向きに輸送し、気候が温暖化するにつれて速度が遅くなると予想されていた。
S Lozierらは、船舶による観測と数値モデルを一緒に用いて、20世紀後半の大西洋の特性変化を調べた。彼女たちは、大西洋逆転循環がこの時期の亜熱帯ではやや弱くなっているが、さらに北の亜極域ではやや強くなっていることを見つけた。大西洋逆転循環は単一の周回流とは考えられないと結論しており、観測された変化はおそらく気候変動度を反映しており気候変動の傾向とは一致しないことを示唆している。
「Lozierらは、大西洋子午線逆転循環の緯度に依存した変化に対して明確な証拠を提供している」と、A M de BoerがNews & Viewsで述べている。
doi:10.1038/ngeo947
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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