Research Press Release
C型肝炎感染に必要な新しい因子
Nature Medicine
2010年10月11日
脂質代謝に重要な酵素DGAT1が、C型肝炎の感染に必要であり、抗ウイルス治療の新しい標的になる可能性があることが明らかになった。
C型肝炎ウイルス(HCV)感染者は1億6000万人を超え、多くの場合、感染が重い肝臓病につながる。C型肝炎は、肝細胞での脂質代謝と密接に関連している。
M Ottたちは、HCV感染に重要な宿主側の因子として、脂質合成酵素DGAT1を同定した。DGAT1はウイルスに結合し、これがウイルスをヒト細胞の脂肪滴へと運ぶのに必要である。DGAT1の活性を阻害するとウイルスの生産が強く阻害されることから、DGAT1が治療標的になる可能性が示唆される。
doi:10.1038/nm.2238
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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