Research Press Release

【応用物理】光リザーバコンピューティングの帯域幅を広げる

Nature Communications

2013年1月16日

実験室で容易に入手できる部品を用いた、学習に基づく光学的な高速情報処理方法が発表される。この実証では、高速データレートでの計算のためのフォトニックシステムの可能性が明確に示されている。

現代のコンピューターシステムに対しては、複雑な計算を実施することへの要求がますます高まっており、それゆえ、処理方法のさらなる効率化が必要となっている。効率を高めるための方法の1つとしてリザーバコンピューティングが提案されている。この方法は、非線形な過渡状態の系を基盤としており、神経ネットワークにかなり似ている。今回、D Brunnerたちは、標準的な光学部品だけを用いて構築されたフォトニックシステムを用いたリザーバコンピューティング法を実施した。半導体レーザーによって必要とされる過渡状態が生成され、通常の光ファイバーによって計算が可能となっている。この種の系は、情報の時系列の処理に適しており、Brunnerたちは、1ギガバイト/秒というデータレートでの数字音声認識と話者認識を実施できることを明らかにした。

この全光システムは、高効率データ処理の諸課題のためのリザーバコンピューティングと光学技術の可能性を明らかにしている。

doi:10.1038/ncomms2368

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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