Research Press Release
インドネシアでの気候変動とのかかわり
Nature Climate Change
2012年12月10日
E Bohenskyたちは、2007年に東カリマンタン州、2008年には中部ジャワ州において、合計6,310世帯を調査し、地球温暖化との関わりのパターンを調べた。その結果、回答者の81.9%が気候変動に気づいたと答え、70.7%が気候変動をリスクと認識し、38.9%が気候変動の影響に適応し、28.2%が予防措置をとっていると回答した。Bohenskyたちは、さまざまな回答の組み合わせを用いて、気候変動と関わる段階の順序、例えば、適応行動をとると回答した世帯がそれ以前の調査で気候変動をリスクと認識したと回答し、それ以前の調査で、気候変動に気づいていたかどうかを分析した。全般的に言うと、順を追った気候変動との関わりが全事例の89.5%において起こった。これに対して、人々が気候変動に気づき、それをリスクと認識したが、何らの行動もとらなかったというのが、最も頻度の高い回答の組み合わせだった(31.8%)。
Bohenskyたちは、今回の研究で得られた知見を踏まえて、インドネシアの関係機関が、基本的な意識向上戦略から離れて、各世帯の気候変動との関わりのレベルに合わせた適切な適応支援を明確に定めるべきだという考え方を示している。
doi:10.1038/nclimate1762
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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