Research Press Release
下流効果
Nature Climate Change
2012年10月29日
米国コロラド州の河川流域では、気候変動によって上水道の質に影響が生じており、それが、昆虫による樹木の枯死を介したものであることが判明した。この研究結果を報告する論文が、今週、Nature Climate Change(オンライン版)に掲載される。
今回、K Mikkelsonたちは、キクイムシの被害を原因とする広範囲にわたる森林の激減によって、キクイムシ被害を受けた流域から浄水施設に流れ込む消毒剤の有害な副産物の量と有機炭素の総量が、影響を受けていない河川流域よりも著しく多いことを明らかにした。このことは、気候変動によって生態系の動態が変化し続けているなかで、常時観察の必要な影響項目に水質も加えるべきことを示している。
doi:10.1038/nclimate1724
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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