Research Press Release
【電池】グリッドスケールのエネルギー貯蔵に有用な電池
Nature Communications
2012年10月24日
安全で、急速充電でき、低コストで長寿命の新しいタイプの電池について報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。この論文では、水系アルカリイオン電池の製造に用いる新しいタイプの負極材の開発について述べられている。この新材料は、グリッドスケールのエネルギー貯蔵への応用に道を開く可能性がある。ただし、そのためには、電池のサイクル寿命を大幅に延ばして、再生可能エネルギー源の統合を達成できるようにすることが求められている。
今回、Y Cuiたちが開発した新しい種類のハイブリッド負極は、開骨格構造の結晶を有する正極と適合しているため、電池へのエネルギーの急速貯蔵ができる。この電極は、安全で低コストの水性電解質中で作動する。これによって得られる電池は、大出力、高エネルギー効率を示し、1000回の重放電サイクル後の容量損失はゼロだった。こうした性能、スケーラビリティーと安全性が得られる電池は、定置エネルギー貯蔵用途に適している。
doi:10.1038/ncomms2139
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
環境科学:火山活動が中世ヨーロッパにペストをもたらしたかもしれないCommunications Earth & Environment
-
人工知能:チャットボットは投票意向に影響を与えるかもしれないNature
-
社会科学:不安定なビデオ通話は、会話だけでなくそれ以上のものを損なうNature
-
天文学:衛星による光害が宇宙天文学研究を脅かしているNature
-
素粒子物理学:風変わりなクォーク四重項の定量化Nature
-
動物の行動:病気のアリはコロニーを守るため自ら犠牲となるよう合図するNature Communications
