Research Press Release
ナノテクノロジー:人工の光合成構造は自然から学ぶ
Nature Communications
2012年10月17日
植物に見られるような自然の光合成構造を模倣した人工の光合成構造について報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。この構造は、光エネルギーを取り込んで、水を水素ガスに転換する。そして、この水素ガスを回収して、燃料として利用できるというのだ。
今回、X Wangたちは、植物の葉にある光合成構造を模倣した中空のナノ球を合成した。この光合成構造のねらいは、光の捕獲と分布を最適化することにある。この構造は、ロバストな半導体材料からできており、水からの水素生成を触媒し、可視光線照射を用いて、水素生成過程を引き起こす。
これまでの研究のかなりのものは、水から水素ガスを生成するための触媒の生産に重点が置かれていたが、今回のように自然からヒントを得ることで、人工光合成の実用化と商業化が早まることが期待されている。
doi:10.1038/ncomms2152
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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