Research Press Release
月面の水が検出
Nature Geoscience
2012年10月15日
月の土壌中のガラス質粒子は大量の水を含んでいると、Nature Geoscience(オンライン版)に発表された研究が報告している。かつては完全に乾燥していると考えられていた月の表面に残された湿りけの痕跡は、太陽風との相互作用が原因と考えられる。
Yang Liu等はアポロ計画により持ち帰られた月の土壌資料を分析し、粒子の中から水を検出した。さらに分析を進めると、太陽風中の水素イオンとの地球化学的類似性が明らかになった。このことは、太陽風が月の表面に水素イオンをもたらし、それがガラス質粒子中の水に変換されて保存されたことを示唆している。
関連するNews and Viewsの記事でMarc Chaussidonは、太陽風と関連がある月表面の水を発見したことが、「太陽系内部の天体で他にも水が見つかる可能性を示している」と書いている。
doi:10.1038/ngeo1601
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
古生物学:インドで発見された化石は新属新種の古代の大蛇だったScientific Reports
-
生体力学:昆虫の翅のヒンジは筋肉によって制御されているNature
-
気候変動:気候変動に伴う経済的コストNature
-
生物学:闘争・逃走系の起源Nature
-
材料:接着剤が海洋性軟体動物種の追跡に役立つNature Communications
-
気候変動:海洋での致死的な極端低温事象の強度と頻度が高まっているNature Climate Change