Research Press Release
二酸化炭素排出量に対する影響の非対称性
Nature Climate Change
2012年10月8日
経済の成長期における二酸化炭素排出量の増加は、経済の衰退期における二酸化炭素排出量の減少よりも変化が大きいことを示す実証的研究が、今週、Nature Climate Change(オンライン版)で発表される。
従来の推定では、景気拡大期に二酸化炭素排出量が増加し、景気後退期には同じように減少するとされていた。今回、R Yorkは、1960~2008年における一人当たりの全球二酸化炭素排出量と国内総生産(GDP)の関係を分析した。その結果、GDPが1%増加するごとに、排出量が0.733%増加したが、GDPが1%減少するごとの減少率は0.430%にとどまった。この非対称なパターンは、経済成長によって建物やインフラなど不景気になっても存続する財が生み出されることによって説明できる可能性があり、歴史の重要性を示唆している。これは、二酸化炭素排出量のモデル作製にとって重要な知見といえる。
doi:10.1038/nclimate1699
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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