Research Press Release
チベット東部の初期のパルス的成長
Nature Geoscience
2012年8月6日
約3千万年前にインドとアジア大陸が衝突した初期の段階にチベット高原の東縁には高山地形が存在していた可能性があると、今週号のNature Geoscience onlineに発表された研究が示唆している。これまでは、チベット東部の大部分にわたる高山地域は1500万~1000万年前に発達したと考えられてきた。
Erchie Wang、Eric Kirby等は、チベット東部の地形の成長の年代を、温度の低い地球表面に露出した岩石が山地で浸食されたことによる岩石の冷却年代を分析することにより決定した。初期の定常的な地形の成長が起きた後に、高原の縁は二つのパルス的な山脈形成事象の間に成長した。著者等は、この長期にわたる間欠的な山脈成長の性質は、チベット東部の高山地形を構築するには二つの異なった物理的メカニズムがあったことを示している可能性があることを示唆している。
doi:10.1038/ngeo1538
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:アフリカゾウ同士はどう挨拶するのかCommunications Biology
-
惑星科学:岩石質の系外惑星「かに座55番星e」の大気の特徴を解明するNature
-
医学:神経精神疾患の治療に用いる強力な幻覚性物質の評価Nature
-
生物学:人為起源の地球規模の変化が感染症伝播リスクに影響を及ぼしているNature
-
生態学:マッコウクジラの複雑な鳴音を調べるNature Communications
-
遺伝学:APOE4遺伝子バリアントはアルツハイマー病の他とは異なる遺伝的タイプである可能性があるNature Medicine