クリーンエネルギー発電に米国民は一定の支持
Nature Climate Change
2012年5月14日
平均的な米国民は、全国クリーンエネルギー基準(NCES)を支持し、年間電気料金の13%増を負担することに前向きであることを報告する論文が、今週、Nature Climate Changeに掲載される。クリーンエネルギーの促進は、米国でますます重要性を高めている優先課題だ。共和党と民主党は、電力部門でのクリーンエネルギー発電を義務づける法案を2010年と2011年に提出した。ただ、クリーンエネルギーは電気料金の値上げにつながる可能性が高いため、米国民がNCES法案の可決を支持するのかどうかが重大な問題になっている。今回の研究では、この政策戦略に対して一定レベルの支持があることが示唆されている。
今回、M Kotchenたちは、2011年4〜5月に米国民1,010人を対象とした全国代表調査を行った。調査対象者に対しては、2035年のクリーンエネルギー発電比率を80%にすることを目標としたNCESに対して「賛成」か「反対」かの回答を求めた。そして、その際には、調査対象者ひとりひとりに対して、クリーンエネルギーの定義として、(1) 再生可能エネルギーのみ、(2) 再生可能エネルギーと天然ガス、(3) 再生可能エネルギーと原子力のいずれかを無作為に提示し、同様に、NCESによる各家庭の年間電気料金の増加分の選択肢も無作為に提示した。
その結果、米国民がNCESを支持するうえで支払ってもよいと答えた年間電気料金の増加分は平均で162米ドル(約13,770円)となった。また、NCESに対する支持率が白人以外、高齢者、共和党員の調査対象者の方が低いことをKotchenたちは指摘している。
doi:10.1038/nclimate1527
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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