Research Press Release
生きた動物の体内にある糖類を画像化する
Nature Methods
2012年4月2日
生きた線虫の体内にある特定の糖類を可視化する方法が、今週のオンライン版Nature Methodsで発表される。これは、そうした糖類の生物学的機能に関する洞察をもたらす技術である。
糖類や脂質など、遺伝子でコードされていない分子を生体内で可視化することは困難であるが、発生および疾患でそうした分子が果たしている本質的な役割を解明するためにはそれが重要である。化学物質を用いて蛍光色素を糖類に結合させる研究は過去に行われたことがあるが、それは、修飾のいかんにかかわらず、すべての糖類に標識を付加する非特異的な方法である。
Hannes Bulowたちは、とりわけそうした修飾された糖類、なかでもヘパラン硫酸に注目している。ヘパラン硫酸は、細胞の表面に提示される線状の多糖類で、その修飾パターンが生物学的な機能を決定づけている。線虫の発生過程で特定のヘパラン硫酸を追跡するため、研究チームは、ヘパラン硫酸の特定の修飾を認識する抗体を、分泌シグナルとともにGFP(緑色蛍光タンパク質)と融合させた。抗体は、分泌シグナルのおかげで確実に細胞外に輸送され、そこで標的と結合する。その結果、重要な発生段階ごとに、ヘパラン硫酸を提示する細胞の種類が明らかにされた。
この方法は、修飾に対する特異的な抗体が存在するかぎり、翻訳後修飾を有するほかの糖類、脂質、またはタンパク質に容易に拡張させることができる可能性がある。
doi:10.1038/nmeth.1945
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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