Research Press Release

ダイヤモンド中のキュービットの電荷状態を制御する

Nature Communications

2012年3月7日

ダイヤモンド中の窒素空孔中心は、量子コンピューターにおけるキュービットの生成にとって重要な領域と考えられているが、この窒素空孔中心の電荷を操作する方法が、今週、Nature Communicationsに掲載される論文で発表される。これは、電池に用いられる電解質に似た電解質を使用する方法で、量子コンピューターの実用化に向けた一歩前進となった。 ダイヤモンド中の窒素空孔中心における電子スピンは、量子コンピューターのキュービットの有望な候補と考えられている。ところが、その電荷状態が不安定であるために、大規模な量子プロセッサーでの利用にとって障害となっている。今回、J Garridoたちは、電解質をゲート電極として用いて、窒素空孔の電荷状態を操作する方法を発表した。Garridoたちは、電解質を通して電圧を印加することで、窒素空孔中心のスピン状態を確実に制御することに成功した。 この電子スピンはキュービットとして利用しうるため、今回の研究結果は、量子コンピューターにとって重要な意味を持つ可能性がある。

doi:10.1038/ncomms1729

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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