Research Press Release
脂質生産性藻類のゲノム塩基配列解読
Nature Communications
2012年2月22日
脂質生産性藻類の一種Nannochloropsis gaditanaの概要ゲノム塩基配列を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。この新知見は、バイオ燃料の生産への利用が期待されるN. gaditanaの脂質生産につながる生合成経路に関するさらなる手がかりとなった。 現在、Nannochloropsis類の数種がバイオ燃料の生産に利用されているが、この生物種を操作して脂質生産を向上させることは難しかった。今回、M Posewtizたちは、N. gaditanaの概要ゲノム塩基配列を解読し、グリセロ脂質の形成に関与する遺伝子を同定した。また、Posewtizたちは、この藻類株のための遺伝的形質転換法も実証し、これによって実験室でのさらなる操作が可能となる。 今回得られた知見は、ノックアウトや過剰発現の標的となりうる重要な遺伝子を今後新たに同定するうえで役立ち、バイオ燃料に利用するためのもっと効率的な脂質の生産にも役立つ可能性がある。
doi:10.1038/ncomms1688
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
遺伝学:ブチハイエナの遺伝的特徴に社会的地位が反映されていたCommunications Biology
-
環境:コロラド川の水の半分以上は農地の灌漑に使用されているCommunications Earth & Environment
-
加齢:老齢マウスに「若々しい」免疫系を取り戻させるNature
-
気候変動:極域の氷融解が世界の基準時刻に影響を及ぼす可能性Nature
-
生態学:温暖化と乾燥によってハチ類の多様性が脅かされているNature
-
機械学習:ベルギービールの風味を高めるNature Communications