Research Press Release
超高速加熱だけで磁化反転は起こる
Nature Communications
2012年2月8日
磁化の反転を引き起こすための刺激は、熱だけでも十分なことが、磁性材料における超高速スイッチングを調べる研究で明らかになった。この結果は、磁気記録と情報処理の速度についての基本的限界を導き出すうえで重要な意味をもっている。この研究結果を報告する論文は、今週、Nature Communicationsに掲載される。 磁化反転とは、外部磁場のような方向性のある刺激によって駆動される過程だと一般的に考えられている。熱は方向性を持たないが、今回、T Ostlerたちが、ガドリニウム、鉄、コバルトから構成される合金において、熱によっても磁化反転が生じることを明らかにした。こうした磁化反転の発生機構は、超高速レーザーパルスを照射するだけで誘発でき、磁気記録媒体の高記録密度化とデータ転送速度の高速化をもたらす可能性を秘めている。
doi:10.1038/ncomms1666
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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