進化:カモノハシに似た古代の哺乳類近縁種
Nature
2026年10月8日
中国のジュラ紀の地層から発見された、現生のカモノハシ(platypus)に見られる適応形質の一部を備えた初期の哺乳類近縁種の化石を報告する論文が、今週のNature に掲載される。化石では、喉部がきわめて良好な状態で保存されており、乳を吸う行動と嚥下の進化的起源を探る手がかりとなるとともに、ジュラ紀の哺乳類に似た生物の多様性に関する知見を広げるものである。
哺乳類の特殊化した咽頭は、幼獣期に乳を吸い、成獣期に食物や液体を飲み込むのに役立っている。このような軟組織が化石化することはまれであるため、この特徴がいつ進化したのかは不明だった。Yukun Li(瀋陽師範大学〔中国〕)、Zhe-Xi Luo(シカゴ大学〔米国〕)らは、ドコドン(docodont)類の化石を発見したことを報告している。ドコドン類は、絶滅した哺乳類の近縁種と現生の哺乳類を含む哺乳類形類(Mammaliaformes)という系統群(クレード)に属する。この化石は、繊細な喉部の組織が保存されたまれな例である。新たに記載され、Megacaudaと名づけられたこの動物は、約1億6800万~1億6300万年前に、現在の中国・内モンゴル(Inner Mongolia)地方に生息していた。幅広く扁平な尾、比較的長い足を備えた短い後肢、および物を切り裂く働きをする特徴的な歯を持っていた。これらの特徴から、この生物は半水生の捕食動物であったことが示唆される。著者らは、Megacaudaが陸上では巣穴をすみかとし、水中で魚、サンショウウオ、および無脊椎動物を捕食していたと推測している。
この標本の喉部の分析から、乳を吸うことや嚥下に必要な咽頭の構造は、中ジュラ紀(約1億7400万~1億6400万年前)までに、現生哺乳類の初期の近縁種ですでに進化していたことが示唆される。体重約1~2キログラムで、現生のカモノハシとほぼ同じ大きさのMegacaudaは、既知のジュラ紀の哺乳類形類の中で最大のものである。この発見は、恐竜と共存していた初期の哺乳類形類が、多様な環境でさまざまな生態的役割を担っていたことを示す新たな証拠となる。
- Article
- Published: 07 October 2026
Li, Y., Li, P., Neander, A.I. et al. A Jurassic mammaliaform swimmer and transformation of the mammalian pharynx. Nature (2026). https://doi.org/10.1038/s41586-026-11107-0
Research Briefing: An early predecessor to mammals could swim, suckle and swallow
https://www.nature.com/articles/d41586-026-03069-0
doi:10.1038/s41586-026-11107-0
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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