Research Press Release
疎氷性表面における氷の形成機構
Nature Communications
2012年1月11日
せっかく氷の形成を阻害するように設計された表面であっても、環境条件が変化するだけで阻害効果が失われる場合がある、という結論を示した研究が発表される。この新知見は、今後、航空機産業などの分野で使用される材料の開発にとって重要な意味を持っている可能性がある。詳細を報告する論文は、今週、Nature Communicationsに掲載される。 「疎氷性」コーティングは、氷の形成が望ましくない多彩な用途(例えば、送電線や空気力学の原理を応用した翼構造)に用いられている。今回、D Poulikakosたちは、疎氷性コーティングの塗布された表面上での氷の形成機構を調べ、この機構が湿度と空気の流れによって激変して疎氷性が失われることを発見した。 この新知見は、将来的には、汎用性を高めた疎氷性表面の設計に役立つかもしれない。
doi:10.1038/ncomms1630
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
環境科学:火山活動が中世ヨーロッパにペストをもたらしたかもしれないCommunications Earth & Environment
-
人工知能:チャットボットは投票意向に影響を与えるかもしれないNature
-
社会科学:不安定なビデオ通話は、会話だけでなくそれ以上のものを損なうNature
-
天文学:衛星による光害が宇宙天文学研究を脅かしているNature
-
素粒子物理学:風変わりなクォーク四重項の定量化Nature
-
動物の行動:病気のアリはコロニーを守るため自ら犠牲となるよう合図するNature Communications
