Research Press Release
実験室での精子細胞の作製
Nature Communications
2011年9月14日
実験室内でマウスの精原幹細胞を精子に分化させ、顕微鏡受精によって、健康な仔を誕生させられることが明らかになった。今回の知見は、このマウス系を利用することで、実験室内での精子の発生を研究できることを示唆している。詳細は、Nature Communicationsで発表される。 これまでの研究では、実験室内で精原幹細胞を増殖させることは可能だが、生体内でなければ精子に分化させることはできないとされていた。今回、横浜市立大学の小川毅彦たちは、この研究を一歩進めて、実験室内での精子の発生を実現するための培養条件を明らかにした。そして、小川たちは、このマウスの精子を用いて、実験室内で卵の受精を行い、受精卵から生存能力のある仔を誕生させることに成功した。 この新知見により、実験室内での精子形成に関する詳細な研究が可能になると考えられている。
doi:10.1038/ncomms1478
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
古生物学:南米の琥珀層に古代昆虫が「ひしめき合う」Communications Earth & Environment
-
気候変動:山火事の煙による年間死亡者数は増加すると予測されるNature
-
人工知能:DeepSeek-R1 AIモデルの背後にある科学Nature
-
医療科学:医療を導くAIツールNature
-
気候変動:温暖化によるサンゴ礁の緩衝機能の危機Nature
-
神経科学:繰り返される頭部外傷は若年アスリートの脳細胞を変化させるNature